ここ10年で最悪の電力危機

ここ10年で最悪の電力危機

【Prothom Alo】不規則な天候と、外貨準備高と通貨価値が低下する中で燃料輸入の支払いが困難になっているため、バングラデシュは2013年以降最悪の電力危機に直面していることが、政府データのロイターによる分析で明らかになった。

さらなる熱波が予測される中、電力使用のピークとなる7~10月が近づくことから、同国の電力相は最近、1億7千万人が暮らすバングラデシュで今後数日間停電が続く恐れがあると警告した。

ウォルマート、H&M、ザラなどの世界的な小売業者に供給する世界第2位の衣料品輸出国バングラデシュでは、2023年1~5月まで114日間の停電を余儀なくされた。

2022年通年の113日と比較すると、その差は歴然としている。

バングラデシュ電力網公社のデータによると、停電は夕方から早朝にかけてが最も多く、住民や中小企業は停電が予告なしに10~12時間続くと訴えている。

データによると、5日早朝には供給量が需要量を25%も下回っていた。

また、6月第1週の全体的な供給不足は平均15%に拡大、平均5.2%不足していた5月の約3倍となった。

政府データでは、燃料不足が供給不足の主な原因であることが明らかだ。

電力網公社のウェブサイトに掲載された日報によると、5日には国内のガス火力発電所11.5ギガワット(GW)の約4分の1、石炭火力発電所340万キロワット(KW)の約3分の2が燃料不足で一日停止していた。

また、ディーゼルや重油で稼働する750万KWの発電所の40%以上が、燃料不足で稼働できなかった。

バングラデシュ国営石油公社は4月下旬から5月上旬にかけて電力省に書簡を送り、シノペック、インディアンオイル、ヴィトールへの支払いが米ドル不足でできないこと、さらに 「燃料油の在庫が驚くほど減少している 」と警告した。

バングラデシュタカの価値は5月までの12カ月間で6分の1以上下落、ドル準備高は3分の1減少し、4月には7年ぶりの低水準になった。

政府データでは、石炭や液体燃料による発電量はガス火力発電を犠牲にして増加、その結果、平均電力コストが上昇したことも示された。

LNG価格の下落に伴って発電量に占める天然ガスの割合はここ数カ月上昇したものの、国内在庫量が減少し、世界の供給業者との長期契約がないため、2022年は減少した。政府は最近、カタールエナジーと15年間のLNG契約を締結した。

一方、再生可能エネルギーがほとんどないエネルギー不足の国による電力輸入は、総供給量の10%未満で安定していることもデータで示された。

2022年、バングラデシュの発電ミックスにおける重油とディーゼル割合は10年以上ぶりの高水準だった。一方、2022年8%だった石炭依存度は、2023年当初5カ月間で14%以上上昇した。

Bangladesh News/Prothom Alo Jun 8 2023
https://en.prothomalo.com/bangladesh/bangladesh-in-world-media/keif75avdp
翻訳編集:吉本

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