【Financial Express】過去5年間、バングラデシュの工業は国内総生産（GDP）への貢献が増加しているにもかかわらず、比例して新たな雇用を創出できていないことが調査で明らかになった。
工業のGDPに占める割合は2017年の20.4％から36.9％(2022年)まで増加したが、雇用割合は20.4％から17％へ、3.4％減った。
政府とILO代表団が22日に開いた会合では、主に自動化や省力化技術の影響を受けて、輸出収益の高いアパレル分野でも雇用が停滞していることが明らかになった。
成長と雇用のもう一つの逆不均衡は農業だ。GDPに占める割合が2017年の14.1％から2022年の11.6％に低下したが、雇用割合は40.6％から45.3％へ4.7％増加した。
一方、都市部の雇用は減少した。女性の雇用は2017年の31％から23.58％(2022年)になり、女性のうつ病率が高くなっている。
発展のための調査政策統合（RAPID）会長のMA・ラザック博士は、労働雇用省（MoLE）と国際労働機関（ILO）が共催した技術対話でこれらの統計数字を共有した。
「バングラデシュの国家雇用政策と労働市場の雇用課題」に関する技術対話は、現在の国内労働市場の動向から生じる重大な課題について議論し、国家雇用政策（NEP）を通じてそれらに対処する効果的な手段を模索するために開催された。
「工業での雇用は、2017年の1240万人から2022年の1205万人へ35万人減少しましたが、この期間の工業の平均実質GDP生産高は年率9.0％以上増加しました」
ラザック氏は基調講演で述べた。
また、 2008年から2022年にかけて、衣料品輸出額は100億ドル(1兆4316億円)から430億ドル(6兆1561億円)に増加したが、雇用は約350万人から400万人へ増加するにとどまったという例を挙げ、堅調な衣料品輸出は雇用の伸びに反映されていないとした。
「自動化と省力化技術の導入が製造業の雇用停滞の原因です」
ラザック氏は、2022年の暫定労働力調査を引用しながら、2017年から2022年の間に労働力は1千万人増加し、失業者は270万人から260万人に減ったと述べた。
また、インフォーマル経済で働く労働者の社会的保護に焦点を当て、雇用の可能性が高い産業の需給ギャップを分析し、雇用政策は不完全雇用を失業と同様に重要視する必要があると強調した。
NEPは2030年までにさらに3千万人の雇用を創出することを目指している。
ラザック氏は、海外で仕事をすることは雇用創出の主要な源泉であるため、国際労働市場は極めて重要だとしたうえで、バングラデシュの出稼ぎ労働者の多くは未熟練労働者が占め、その結果、国が受け取る送金額も少なくなっていると述べた。
世界で最も送金を受領する国の一つであるバングラデシュにとって、出稼ぎ労働者1人当たりの収入は低すぎると考えられている。
講演したベグム・モンヌジャン・サフィアン労働担当国務相は、MoLEが他の省庁や利害関係者とともに昨年策定した雇用政策に沿った人間らしい雇用の機会を可能にする環境を作り出すため、エビデンスに基づいた政策開発と、的を絞った介入を追求するとした。
その一環としてMoLEは、雇用課題を調整するための雇用総局の設立を検討していると述べた。
経済関係局のシャリファ・カーン局長は、競争力を維持するためにLDC(後発開発途上国)卒業後の熟練労働者の育成の必要性を強調した。
「LDC卒業は労働市場と雇用に影響をもたらし、ハイエンド製品やサービス輸出における競争力を強化するための熟練労働者の必要性と労働生産性の向上を浮き彫りにします。 国の雇用政策に関するこのタイムリーな技術対話は、バングラデシュのマクロ経済的課題と一致しており、将来に向けた貴重な洞察と解決策を提供します」
統計情報局長のシャナズ・アレフィン博士は、雇用政策の策定と実施における労働市場のインテリジェンスとデータの重要性について述べた。
「労働市場のインテリジェンスとデータは、効果的な雇用政策の策定と実施において重要な役割を果たします。 バングラデシュが2030年までにSDGsを達成し、2026年までにLDCを卒業することを目指している中、包括的な労働市場情報システム（LMIS）の確立が不可欠となっています」
ILOのシャー・シン・ベリック博士（雇用・労働市場・青少年支部局長）、バングラデシュ開発研究所のズルフィカール・アリ上級研究員らもコメントした。
Bangladesh News/Financial Express Jun 23 2023
https://thefinancialexpress.com.bd/economy/bangladesh/industrys-contribution-to-gdp-up-employment-down
翻訳編集：吉本