インド、河川迂回工事実施

インド、河川迂回工事実施
英ガーディアン紙によると、インドは前例のない大規模な河川迂回工事を行い、干ばつの多い東部や南部地域に水を供給するという。

同紙は環境活動家の発言を引用し、この迂回工事計画が地方経済にとって壊滅的なものとなると同時に、1億のバングラデシュ住民にも影響を与える可能性があるとしている。記事によるとガンジス川やブラマプトラ川といった主要河川のルートを変更し、水路を設けてインド中央部のケン川やバツワ川、西部のダマンガンガ・ピンジャル川を接続する計画だという。

インドのウマ バルティ(Uma Bharti)水資源省大臣によると、工事は間もなく開始されるという。同省スポークスマンはガーディアン紙に対し、政府は環境省の認可待ちであると答えた。

この計画には20兆インドルピー(2070億英ポンド)の費用と、20~30年の期間を要する見込みだ。

インドのナレンドラ モディ首相は、地方で起こる水問題に対する解決策として迂回計画を公表したという。

記事によると河川の接続計画は1980年代にインディラ ガンディー政権によって立てられたが、承認を得られず中止になった。現在、最高裁判所や政府のお墨付きを得た環境省の承認を受け、工事計画は実行に移されるとしている。

科学者らは政府に対し、計画を実行に移す前に水資源の現状について十分な調査を行い、河川接続による環境への影響を分析する必要があると主張する。

工事計画はバングラデシュ政府との間で、対立を生む可能性があるとガーディアン紙はいう。

バングラデシュ国民1億人はガンジス川・ブラマプトラ川の下流に暮らしており、両河川の恩恵を受けて暮らしている。工事を行えばこの人々にも影響が出るとガーディアンは指摘する。

16日にはバングラデシュのナズラル イスラム(Nazrul Islam)水資源省大臣がインド政府に対し、バングラデシュでの水需要を考慮するよう訴えた。

Prothom Alo May 18 2016
http://en.prothom-alo.com/bangladesh/news/105043/India-to-divert-Ganges-Brahmaputra-waters-at-high