2つの仕事

2つの仕事
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ボリシャル(Barisal)県の女性陶工たちは最初から最後まで取引に関わっているものの、家族の世話もあり、貢献は殆ど認められておらず、職業意識を奪われてしまっている。

特派員は先日、県内の陶工事情をよく表すバケルガンジ(Bakerganj)郡とアガイルジャラ(Agailjhara)郡を訪れた。

少なくとも200世帯以上が陶器製作に従事するバケルガンジ郡モヘシュプールポールパラ(Moheshpur Paul Para)では、そのほぼ半数を占める女性たちが家の敷地内で粘土を使い、凝乳壷や鉢受け、花瓶といった様々な商品の製作に精を出していた。

女性たちは家事仕事に加え、数十年の間、朝から晩まで壷作りを行っているが、現地では政府や非政府の組織による啓発が行われていないため、彼女たちは未だに自分たちの権利に気付いていない。

「結婚する前は父の粘土製品作りを手伝っていました。結婚した後は夫の手伝いをしています」
ポールパラに住むジュティ ラニ ポールさんは話す。

彼女たちは皆、自分たちが家族を支えなければならないことを知っている。
「子どもを学校に通わせたいです。私たちの運命を変えたいです」
同じポールパラに住むスモティ ラニ ポールさんは話した。

男性陶工のマドゥスダン ポールさんは女性の貢献に関しての質問に答えた。
「彼女たちは粘土をこねて様々な形を作り、日光で乾燥させています。作業が終わった後は、市場で販売します」

アガイルジャラ郡ガイラポールパラ(Gail Paul Para)のシブ ポールさんは話す。
「私たちの家族は男性も女性も、陶器や偶像を作るために一緒に作業をします。これが地域の伝統です。女性はずっと中心的な役割を果たしてきました」

だが同じ地区に住むブリ ラニ ポールさんは「お金は全くもらえません」という。

一方、商品がたびたび売れ残るようになったため、陶工たちはこの商売を続ける意欲を失いつつある。

「以前は近くの川岸で粘土を集めていました。今はボート一杯の土を7千タカ(9272円)で買っています。今は売るのが大変です」
モヘシュプールのディリプ ポールさんはいう。

プラスチック製の壷や容器がより安い値段で売られており、消費者はこれらが粘土製の物よりも便利だと考えていると陶工のディパク チャンドラさんはいう。

「週に2千個の凝乳壷を5千タカ(6623円)の費用で製作します。市場価格は1万タカ(1万3246円)です。ですがほとんどが売れ残るため、もはやそれほど利益を得られません」
ディパクさんはいう。

同じく陶工のラクスマン ポールさんによると、多くの人がすでに陶器作りをやめているという。
「利益が出ないので、金銭面の状況はここ数年間、悪化し続けています。政府の支援は全くありませんでした」

国内における陶器のイメージを守るため、この地域には研修や経済支援が必要だ。
陶工たちの貢献を表彰し、振興に努める"ムリトシルピ サメロン オ サマノナ(Mritshilpi Sammelon o Sammanona)"の事務局員バッピー マジュムデール氏は話した。

The Daily Star Oct 07 2016
http://www.thedailystar.net/city/barisal-women-doing-double-duty-1295401

翻訳:長谷川
#バングラデシュ #ニュース #陶工 #女性