衣料品輸出に影

衣料品輸出に影
ドナルド・トランプ次期大統領が選挙戦の公約のひとつ、国境税の計画を実行すれば、バングラデシュの輸出、特に衣料製品はさらなる関税競争に直面するだろう。

17カ月の選挙期間中、トランプ氏は、外国との不公平な競争からアメリカの雇用を守るため、輸入製品へ35~45%の国境税課税を呼びかけた。

製品を輸入する企業は国境で税を支払う。

「提案された国境税が実施されれば、我々は他の国々のように苦しむでしょう」
民間シンクタンクの政策研究機関のアサン・H・マンスール所長は話した。

「国境税の実施は、我々や、さらには世界にとって最も悪いニュースのひとつとなるだろう」

トランプ氏が中国や、生産を海外に移す企業をターゲットに関税を課すかどうかに最大の関心が集まっているが、輸入にペナルティを課すアメリカの税制度への提案は、より長く、かつ広範囲に影響を及ぼす可能性がある。フィナンシャル・タイムズ紙は報じた。

「アジアにとって、非常に大きな問題だと考えています」
香港のHSBC経済研究所のフレデリック・ニューマン共同責任者は話した。

「さらには他の国々による報復政策という不安材料を生み出すでしょう」
フィナンシャル・タイムズ紙はニューマン氏の言葉を引用した。

マンスール所長によると、1月20日にトランプ氏が大統領に就任して選挙戦の公約に従えば、バングラデシュの輸出、特に衣料製品は明らかに影響を受けるという。

アメリカは十分な数の工場を所有していないため、国内の製造業者は需要を満たすことはできないだろう。

結果、アメリカの小売業者は輸入衣料製品、主に基本的な衣料品を生産するバングラデシュなどのアジア諸国に依存するようになる。

アメリカは電子機器や携帯電話生産が得意なため、それらを生産するアジア企業は国境税の最大の矢面に立つだろう。

「最も悪い影響を受けるのは、アメリカではほどんと価格が上乗せされず、値段が需要に左右される、利益率の低い商品の輸出業者だ。値上げがそのまま消費低下につながってメーカーを襲う、ウォルマートのような小売業者が販売する多くの商品がそれにあたる」
フィナンシャル・タイムズ紙は報じた。

バングラデシュ衣料品製造・輸出業者組合のシディクル・ラーマン会長は、国境税課税の結果について、マンスール氏の見解を繰り返した。

「国境税が実施されれば、我々はアメリカに対する競争力を失います」
ラーマン氏は補足した。

アメリカの小売業者は現在、バングラデシュからの輸入衣料製品に対し、15.61%を支払う義務がある。衣料製品はアメリカへの輸出全体の95%を占める。

アメリカの衣料製品輸入業者は、中国製品の輸入に8.38%、ベトナム製品に2.29%、インド製品に2.29%、トルコ製品に3.57%、インドネシア製品に6.30%支払う義務がある。

バングラデシュ/The Daily Star Jan 18 2017
http://www.thedailystar.net/backpage/shadows-over-prospects-garment-exports-us-1346860

翻訳:米澤
#バングラデシュ #ニュース #輸出 #衣料製品