希望の太陽光発電

希望の太陽光発電
2021年まで再生可能エネルギーで遠隔地域や電力未接続地域を明るく照らし、全家庭へ電力供給する計画の一環として、政府は太陽光発電を設置し、マンプラ(Manpura)島を環境の島にする計画を立てている。

計画の前提として、電力・エネルギー・鉱物資源省持続・再生可能なエネルギー開発局(SREDA)は、電力が届きにくい国内250カ所を割り出した。

これらの地域は沿岸地帯の遠隔地やチャー(中州)、国内北西から北東部のハオール(低湿地帯)に広がっていると、SREDAのシディク・ゾバイル氏は話す。

政府は温暖化防止に向けたグリーンエネルギー貢献のモデルとして、マンプラ島で再生可能エネルギーを発展させる計画を立てている。

「私たちは環境の島を実現させたいのです。太陽光、風力、バイオガスなど、すべての再生可能エネルギーを島に取り入れる予定です」

「これは2021年までに国民全員に電力を供給する計画の一環で、電力網の電気が届かない地域へ、今後5〜7年以内に徐々に再生可能エネルギーを取り入れていきます」
ゾバイル氏は話した。

マンプラ島はメグナ川河口の北ベンガル湾に位置する、373平方キロメートルの島だ。

ボラ(Bhola)県市街地から80km離れたこの島には、漁業を主な収入源とするおよそ12万5千人が住んでいる。

マンプラに自然エネルギーを供給する計画は、2015年11月、177キロワットの太陽光式ミニグリッドが設置されたことで動き出した。太陽光式ミニグリッドから24時間電気が得られることに、住民の関心は高まっている。

現在、バングラデシュ電力開発委員会(BPDB)が一日6時間、発電機でマンプラ島へ電気を提供している。だが供給できているのは1万7280世帯のうちわずか730世帯だという。海に囲まれたマンプラ島に電力網を繋げるのは難しい。
「商業的に実行が難しいです」
ゾバイル氏は島全体で電力需要は4メガワット(MW)になると話した。

BPDB配下の西部地域電力配給社の現地事務所は海底ケーブルを介し、島と国の電力網を接続する必要があり、そのため約40億タカ(55億円)を見積もっていると、マンプラ電気供給の常駐技師アブダスサラム氏は話した。

マンプラ島は太陽と風力エネルギーを両方を利用するのに適しているとゾバイル氏はいう。

政府は2MW以上の電力を発電するため、民間を通じて合計6つの太陽光式ミニグリッドを建設したいと考えている。このうち1MWの太陽光発電設備が設置され、残りは250kWp(平均して250キロワットの発電ができる設備)の容量になるという。

既存のミニグリッドの発電容量は177kWpから250kWpに増加する。再生可能エネルギープロジェクトへ資金提供するインフラ開発会社(IDCOL)の再生可能エネルギー責任者エナムル・カリム・パベル氏は話した。

マンプラ島に太陽光式ミニグリッドを設置するため、およそ9億タカ(12.6億円)が必要となる。

だが島の電力総需要量を6つのミニグリッドで満たすことはできない。現在、電力需要のピークは3-3.5MWだという。

「接続の供給が困難なエリアが存在するため、遠隔地域には太陽光式ホームシステムを設置する予定です」
エナムル技師は話した。

政府は2021年まで、国の総電力需要の10%を再生可能エネルギーで満たすことを目的とし、SREDAが主導権を握る。現在、再生可能な資源、主に太陽光発電は、合計1万5500MWの発電容量のほぼ3%を占める。

マンプラ郡のサリナ・チョードリー議長は24時間電気が必要だという。
「しかし電気料金を下げなければ、島民は電気を買うことはできません」

住民はBPDBの料金よりはるかに高い、30タカ(41円)支払わなければならない。

「料金が高いにもかかわらず、島民は太陽光式ミニグリッドから電力を得ています。しかしこのように高い料金を払うことは大変です」

住民が省エネ家電を使えば、電気料金を減らすことができるでしょう。
マンプラ島に太陽光式ミニグリッドを設置したソーラーエレクトロバングラデシュ社のDM・マジボル・ラーマン社長は話す。

「しかし、従来の家電を使用している人はコストがかかり、料金が高くなってしまいます」

マジボル社長は島民は高額な支払いを拒み、太陽光式ミニグリッドの接続を望んでいないという。

「そのような状況なので、コストを抑えるため、エネルギー効率の良い電気器具を使用するよう奨励しています。太陽光式ミニグリッドを設置するより、単位ごとに300タカ(約416円)を支払って私設の発電機に接続することを優先すべきです」

「太陽光電力のおかげでマンプラ島は大きく発展しています」
すでに11事業所と製材所を含む426人の顧客とプリペイド接続を行っているソーラー・エレクトロのマジボル社長は話した。

彼らはすでに新規で50カ所から申し込みを受け取っているという。

マジボル氏は省エネルギー機器のインセンティブと無税輸入を提供し、消費者レベルで太陽光発電のコストが下がるよう政府に要請した。


バングラデシュ/The Daily Star Mar 30 2017
http://www.thedailystar.net/backpage/solar-hope-manpura-1383478
翻訳:藤重
#バングラデシュ #ニュース #太陽光発電