国内の繊維製品売上倍増

国内の繊維製品売上倍増

【The Daily Star】多様な繊維製品生産と中間所得層の消費拡大により、バングラデシュ国内の繊維市場の年間売上高が過去5年間で約2倍の90億ドル(1兆351億円)に達するなど、急成長を続けている。

5年前の売上高も50億ドル近くあったが、外国製生地への依存度低下や最新機械の設置、中間所得層の拡大が、国内の繊維・織物市場の成長を押し上げたとみられる。

繊維製品のうち、サリー、ルンギ、手織りタオル、サルワル・カミューズ、パンジャビ、シャツ、ズボン、ベッドシーツ、カーテンなどが国内生産されている。

バングラデシュ繊維工場協会(BTMA)のモハンマド・アリ・ココン会長は、女性客が1年で消費する布は5年前は30メートルだったが、40メートルになったと述べた。男性客も15メートルから25メートルへ伸びたという。

かつてバングラデシュの織物業者は、主にサリーやルンギの生地を生産していたが、近年は所得増加に伴い、上質なものへの需要が高まり、シャツやズボンなど高価な製品の生地も作るようになったとココン氏。

「中間所得者層が増えたことが、国内で作る生地の成長に拍車をかけているのです」

BTMAのモンスール・アーメドCEOは、現在国内需要を満たすため、300カ所の紡績工場、10000カ所以上の中小織物工場、1200カ所の染色工場が繊維や布地を生産していると述べた。

国内ビジネスマンや商人にとって主要な販売シーズンである「イードーアルーフィトル(Eid-ul-Fitr)」期間中だけでも20億ドル(2300億円)以上の繊維や布地が販売される。

一方、女性用ブランド品の60%はこの時期に需要が急増するため、正規または非正規のルートで輸入されていると、アーメド氏。

イードーアルーフィトル期間中は、ザカート(喜捨)服も主要商品のひとつになる。

また、4月14日のベンガル新年「ボヘラ・ボイジャック」のお祝いは国内で作られた衣服を身につける習慣があるため、繊維や生地の売上は10億ドル以上になる。

だが、国内織物業者は過去2年間、新型コロナウィルスによるサプライチェーンの混乱や国民の収入減や失業により、2つの時期の大きな売上げを逃してしまった。

一方、世界経済の回復に伴い、バングラデシュの繊維部門の売上は伸びている。

国内外向けの糸を生産するリトルグループのコルシェド・アラム社長は、中国が生産コスト高騰を理由にポリエステル生地の生産を縮小したため、国内の紡績業者や織物業者はこれらを多く生産するようになったと述べた。

さらに、輸入業者の多くは、パンデミックで空前の高値となった高い運賃を支払って生地を輸入しても利益を上げることができず、国内工場から調達するようになったという。

付加価値は合成繊維の方が綿織物より20%高い。
「その結果、織物業者は生産量を増やしています」

中国の工場が直面する深刻な停電も、バングラデシュの国内生地市場の成長に寄与している。

アベッド(Abed)繊維加工工場のアブドゥラ・アリ・マムン氏は、国際市場の綿花高騰による糸価格の上昇は、国内の衣類や生地市場にある程度の影響を及ぼしていると述べた。

主に国内消費者にサービスを提供する小規模工場の30%近くが、高価な輸入綿から生産される繊維原料を購入する余裕がなく、苦しんでいるという。

「小規模工場は、大規模織物工場ほど資本基盤が強固ではないため、糸や生地の高価格を負担することができません」

BTMAのココン氏は、国内市場は成長しているが、コロナパンデミックのために鈍化してきているという。また、未申告生地の販売が国内市場の成長に影響を及ぼしていると述べた。

Bangladesh News/The Daily Star Mar 2 2022
https://www.thedailystar.net/business/economy/news/local-textile-sales-double-five-years-2973746
翻訳編集:吉本

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