インフレに苦しむ労働者

インフレに苦しむ労働者

【Prothom Alo】政府の定める最低賃金が基本的支出を満たすには不十分なため、現在の商品価格の上昇傾向は労働者に大きな打撃を与えている。

インフレ率が所得の伸びよりもはるかに高く、その結果、労働者の購買力は低下しているのだ。

政府によって最低賃金が定められているのは42分野。そのうち18分野は5年の期限を過ぎたが、新しい給与体系がまだ定められていない。中には前回制定されてから10年以上経過した分野もある。

衣料品産業は最多の労働者(400万人)を雇用する。政府は2018年、衣料品労働者の最低賃金を8000タカ(1万1341円)に設定した。これは労働者の初任給であり、毎年5%の割合で上昇する。

労働者は米や油、塩、野菜などの必需品を購入するときにインフレ負担を感じる。特に米価が高騰すると生活が苦しくなる。例えば、2018年には38タカ(53.9円)だった米が60タカ(85.1円)と58%値上がりした。

インダストリオール・バングラデシュ協議会(IBC)の前事務局長サラウディン・スワポン氏は、労働者は必需品価格の上昇のため、生活に苦労しているとしたうえで、彼らの購買力はここ2年で20%減少したと述べた。また、労働者が生き残るために手当や配給を提供することを求めた。

□18部門で賃金が失効

様々な産業分野の最低賃金体系は一般的に5年で期限切れとなる。最低賃金委員会の最新報告書によると、18分野の賃金体系がこの5年の期限を超えた。

18分野は、活字鋳造、ガソリンポンプ、アーユルヴェーダ工場、鉄鋳造所およびエンジニアリング工場、茶園、石油工場および野菜生産、ホメオパシー工場、塩の破砕、低温貯蔵、私有産業に従事する未熟練成人労働者および若年労働者、民間ジュート工場、ゴム産業、映画館、マッチ産業、ジュートプレスおよびベーリング、漁師(漁船で働く)、ビディ、陸港。

これらの分野の賃金体系は2016年以前に最低賃金がおよそ7420タカ(1万519円)で確定し、中には10年以上経過したものもある。

一方、国内の多くの労働者は、依然として政府の賃金体系の外にいる。彼らは主にインフォーマル・セクター*で働く労働者で、彼らもまた現在の状況に苦しんでいる。

*靴磨き、行商、露天商など途上国の経済活動において公式に記録されない職種

□賃金を上回るインフレ率
限られた所得しか持たない人にとっては、物価に見合った賃金が上がらず、実質的な購買力が低下するとその圧力はますます強まる。

バングラデシュ統計局(BBS)のインフレ率と全国賃金指数を分析すると、一般に賃金の伸びはインフレ率より高いままであることがわかった。だが、ここ数カ月は例外があった。

例えば、賃金上昇率が6.56%だった7月のインフレ率は7.48%に跳ね上がった。中でも建設労働者は5.9%という最低の賃金上昇率だった。これは、物価が急騰している割に賃金が上がっていないことを意味している。

Bangladesh News/Prothom Alo Aug 17 2022
https://en.prothomalo.com/business/local/ad41hiarqm
翻訳編集:吉本

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