9月の経済に明るい兆しなし

9月の経済に明るい兆しなし

【THe Daily Star】9月のバングラデシュ経済は、輸出と送金流入がともに減少し、輸入の支払いがほぼ横ばいとなったため、外国為替関連のストレスに苦しみ続けている。

これは、外貨準備高への負担とタカ・レートの変動がすぐには収まりそうにないことを意味する。

輸出振興局(EPB)とバングラデシュ銀行(BB)のデータによると、9月の輸出は前年同月比6.25%減の39億ドル(5648億円)、送金流入は11%減の15億4000万ドル(2230億円)だった。

輸出は14カ月ぶりの減少、送金は7カ月ぶりの低水準に落ち込んだため、9月はバングラデシュにとって経済的に厳しい月となった。

一方、9月の輸出や送金は減少したものの、7-9月期で見ればそれぞれ13.38%、5%増加した。

大きな救いとなったのは、輸入が大幅に増加しなかったことだ。むしろ、前年9月の61億ドル(8835億円)から60億ドル(8690億円)とわずかながら減少した。

だが、BBの暫定データによると、今年度1ー3月の輸入支払額は全体で26.5%膨れ上がり、206億9000万ドル(2兆9966億円)になった。

「政策立案者から、経済に対する外部からのショックはすぐに収まると聞いてます。しかし、マクロ経済のストレスは続いており、すぐに緩和されることはないでしょう。政策立案者は政策を見直すべきです」
世界銀行(WB)ダッカ事務所の元主任エコノミストザヒド・フサイン氏は述べた。

輸出と送金部門の不振のため、バングラデシュの外貨準備高は9月28日、前年同期比21.25%減の344億4000万ドル(4兆9880億円)にまで落ち込んだ。このため、ここ数カ月、自国通貨は大幅な下落を余儀なくされている。

9月29日の為替レートは1ドル107.5タカ(153.8円)で、前年同期比25.7%減となった。

「輸出の減少により、欧米の景気後退懸念とインフレ率の上昇が輸出に影響を及ぼし始めたことが明らかになりました」
経済モデルに関する南アジアネットワーク(Sanem)のセリム・ライハン常務理事は述べた。

また、欧米諸国がインフレ抑制のために金利を引き上げ、消費者行動に影響を与えるため、輸出はさらに影響を受ける可能性があると警告した。

だが、政策対話センターのコンドカル・ゴラム・モアザッム調査部長は、輸出の落ち込みは一時的なものだという。

「バイヤーが注文を保留にしたり、延期したりしていると聞いています。ある程度は懸念されますが、11月からは輸出受注が好転すると思います」
モアッザム氏は、同時に中東に職を求めて行く人が増えるため、送金流入も回復するだろうと述べた。また、政府が輸入抑制のためにとった措置を見直すよう提案した。

だが、世界経済の不確実性が衰える気配はなく、商品価格の高騰も続いているため、銀行家は送金と輸入の方向性についてまだ明確な考えをもっていない。

相互信託銀行のサイド・マウブバー・ラーマン社長によると、現在、多くの輸入業者は、銀行から輸入後に融資を受けることで信用状(LC)を開設し、支払いを行っているという。

ポストインポートファイナンスの下、銀行は輸入業者に融資を行い、LCを決済する。
「このことが、輸入量を増やしているのかもしれません。輸入業者は為替レートの変動を避けるため、前払いにしているのです」

ダッカ銀行のエムラヌル・ハク社長は、以前に開設されたLCは、8月にかなりの程度決済され可能性が高いと述べた。

ダッカ銀行を通じた9月の輸入は、前月より40~45%減少したという。ハク氏は銀行が慎重な姿勢をとっているため、10月以降輸入代金が減少する可能性があるとの期待を示した。

ハク氏によると、現在、金融機関は為替レートを統一し、両替所から米ドルを購入しており、これが送金の流入に悪影響を与える可能性がある。

為替市場がさらに不安定になり、その状況から利益を得るために、両替所はすぐに送金しなかった可能性があるという。バングラデシュの国外居住者は、通常、両替所を通じて本国に送金している。

7月、8月、輸出が輸入を下回ったため、バングラデシュは45億5000万ドル(6590億円)の貿易赤字を被った。同様に、一国による世界各国との財やサービスの取引を示す経常収支赤字は15億ドル(2172億円)に拡大した。

Bangladesh News/The Daily Star Oct 3 2022
https://www.thedailystar.net/business/economy/news/september-brings-no-cheer-economy-3133636
翻訳編集:吉本

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