【Prothom Alo】米国農務省（USDA）によると、バングラデシュの米、小麦粉、トウモロコシ価格が過去最高を記録した。
「バングラデシュ：穀物と飼料更新版」の中で明らかにした。
バングラデシュ人にとって米と小麦粉は主食で、トウモロコシは家畜飼料の主原料のうえ、人の食べ物としても利用されている。
USDAレポートによると、これらの穀物の価格上昇には、国際市場での高値、運賃の上昇、ドル価格の上昇、国内の高インフレの4要因があるとする。
これらの主要作物の生産は今年の目標に達しており、変化はない。米麦は政府と民間が輸入するが、小麦の輸入は減少しそうだ。
サダーン・チャンドラ・マジュムダー食糧相は本紙に対し、米価上昇は正しいが、今年はアマン稲の生産量が多く、市場に出回れば価格は下がり始めるだろうと述べた。 また、穀物危機が続いたとしても輸入で需要を満たすことができるとし、国内で食糧危機は発生しないと補足した。
バングラデシュ国内では食料供給の危機はない。だが、10月に発表された世界食糧計画の報告書によると、国内では68％の人が価格上昇により食料の入手に苦労している。
・米
USDAは、農業マーケティング局やバングラデシュ貿易公社（TCB）、食糧総局などバングラデシュの様々な政府機関からのデータを用いて報告書を作成した。
それによると、粗米価格は8月の1キログラムあたり53タカ(77｡0円)から9月には50タカ(72.7円)に下落した。2020年1月には1キログラム32タカ(46.5円)前後だった。上質米価格は1年で12％上昇し、9月には1キログラム73タカ(106.1円)となった。
USDAレポートでは米価に関する図を使い、これまでは2017年に1キログラム50タカでピークに達したことを示した。
一方、TCBによると、粗・中質米の価格は、先週1キログラムあたり2タカ(2.9円)上昇した。粗米価格は1キログラム48～54タカ(69.8～78.5円)、中質米価格は1キログラム52～58タカ(75.6～84.3円)と幅がある。
関係者によると、今年の米価はバングラデシュ市場で過去最高を記録した。過去にも米価は変動したが、代替品である小麦粉（ata）があった。今年は麦価が1キログラムあたり65タカ(94.5円)となり、低所得者は危機に直面している。
国内での米価上昇の要因は、生産コストの上昇から来ている。
USDAレポートによると、尿素肥料価格も1キログラムあたり6タカ(8.7円)上昇した。燃料価格の大幅な上昇により、灌漑費と輸送費も増加した。国内の肥料生産量の減少は、既存の肥料不足を悪化させ、来シーズンの米生産に影響を与える可能性が高い。
・小麦と小麦粉
USDAレポートによると、バングラデシュ国内の小麦生産は総需要の15％しか満たしていない。今年は120万トンが生産される見込みだ。昨年の小麦輸入量は合計750万トンだったが、今年は650万トンに減る予定だ。2023会計年度当初3カ月(7-9月)で25％を輸入した。
一方、麦価は、ロシアｰウクライナ戦争のため、今年3月から価格が上昇し続けているとした。さらに、バングラデシュは小麦粉需要の大半を輸入で賄っているため、ドル高で輸入コストが上昇している。麦価は1年間で70％上昇、10月には1キログラムあたり55タカ(79.9円)となった。
TCBによると、粗粉価格は先月より5％上昇し、1キログラムあたり55～58タカ(79.9～84.3円)となった。
・トウモロコシ
国内では年間750万トンのトウモロコシ需要がある一方、生産量は約480万トン。家畜飼料の需要を満たすため、残りは主にインド、ブラジル、アルゼンチンから輸している。
USDAレポートによると、10月のトウモロコシ価格は前年比33％増の1キログラムあたり34タカ(49.4円)となった。
トウモロコシ価格の高騰は家畜飼料価格を上昇させるため、農家はこれにより卵、酪農、食肉の生産コストが上昇したと述べている。国内では卵価格は1ダース140タカ(203.5円)、鶏肉価格は1キログラム180タカ(261.7円)と高騰している。
USDAレポートによると、今年8月の国内全体のインフレ率は、11年ぶりとなる9.5%に達した。だが、政府は以前より多くの食料在庫を保有している。
バングラデシュ開発研究所（BIDS）の前所長カジ・シャハブディン氏は本紙に対し、「過去の経験からすると、政府は米の生産量を多く、需要量を少なく見積もっています。ホテルやレストランで消費される米を考慮していないのです」と述べた。
また、米価や麦価が上昇すると、人々は安いものを消費する傾向があるとした。
カジ・シャハブディン氏は、バングラデシュでは過去に米価や麦価がこれほど上昇したことはなく、低所得者がこの状況に対処することは非常に困難だと述べた。
Bangladesh News/Prothom Alo Nov 3 2022
https://en.prothomalo.com/business/local/7kb6xlng8q
翻訳編集：吉本