民間経済特区に集まる投資家

民間経済特区に集まる投資家

【The Daily Star】過去6年間、バングラデシュにある12カ所の民間経済特区は国内外の企業から42億7000万ドル(6065億円)相当の投資提案を引き出すなど、良い反応を得ている。

工業化を加速し、雇用を創出し、貧困を削減するため、全国に100カ所の経済特区を設立するという政府の構想の一環として設立された民間経済特区には、すでにこの金額の70%が投資された。

バングラデシュ経済特区庁(BEZA)の関係者によると、メグナ、シティ、アブドゥル・モネム、ベイなどの民間経済特区で20以上の工場ユニットが商業生産を始め、商品を輸出しているという。

その他、35の工場ユニットが建設中で、1年半以内に生産を開始する予定だ。

投資案件を集めているのは自動車や化学、医薬品、軽工業、病院、プラスチック、食用油、食品加工などだ。

ナラヤンゴンジ県とクミラ県にあるメグナ産業グループ(MGI)の3カ所の経済特区には、14億8000万ドル(2102億円)相当の投資提案が寄せられ、ほとんどはすでに投資された。

MGIは、3カ所の経済特区に7つの工場を設立し、インフラ整備のために5億5千万ドル(781億円)を投資した。これらの工場の落成式は20日に行われた。

7つの工場のうち、Meghna PVC Ltd, Meghna Foil Packaging Ltd, Sonargaon Solar Energy Ltd, Meghna Bulk Bag Industries Ltdは既に稼働している。

残り3工場のCumilla Economic Zone Ltd、Meghna Glass Industries Ltd、Meghna Re-rolling and Steel Mills Ltdの定礎式は20日に行われた。

「私たちはバングラデシュの新しい雇用と繁栄のために働いています。公約通り、すでに7つの工場とインフラで約3千人の雇用を生み出しています」
バングラデシュのコングロマリットの一つMGIのモスタファ・カマル会長兼社長は式典で述べた。

BEZAによると、民間経済特区では3万6602人の雇用が生まれた。

BEZA関係者によると、シティ・グループが所有するシティ経済特区は16億ドル(2273億円)相当の投資を集めたという。ナラヤンゴンジ県ルプガンジにあるこの特区には、合計14工場が設立される予定だ。

現在、4工場が操業中で、3工場が試験操業している。

同グループのもう一カ所の特区ムンシゴンジ県のホシェンディ経済特区は、4億5279万ドル(643億円)相当の投資提案を受けた。
「衣料品分野で韓国からの大きな投資が来る予定です」
BEZAの元会長でシティグループ顧問のパバン・チョードリー氏は述べた。

この経済特区ではCity Seed Crushing Industries社が食用油と鶏飼料となる大豆粕を生産する予定だ。また、City Polymers社は毎日100万枚のポリバッグを製造する。

アブドゥル・モネム経済特区はムンシゴンジ県ガザリアで、環境に優しい衣服や繊維、電子機器、ICT、食品加工、プラスチック、家具、医薬品、軽工業の工場設立を目標としている。

日本のホンダとバングラデシュ鉄鋼エンジニアリング公社の合弁会社バングラデシュ・ホンダは、この特区に投資し、工場で製造されたバイクの販売を開始した。

ノルシンディ県のAKカーン経済特区は、シタラクシュヤ川のほとりに内陸コンテナターミナルを備えた工業団地を建設中だ。これは港湾施設を特区の前へ持ってくることを目的としている。

11社のコンソーシアムが1041エーカーの土地で開発を進めるなど、シラジゴンジ経済特区の開発は本格的に進んでいる。完成すれば、国内最大の民間経済特区となり、約5千人の雇用が期待されている。

「当局はすでに18の投資家に土地を割り当てました」
プロジェクトディレクターのシェイク・モノワー・ホサイン氏は述べた。

その中には、Apex Footwear、Continental Garments Industries (Private)、Dynamic Dredging、MK Chemical Industries、Ratul Fabric、Active Composite Mills、Rising Holdings、Rising Spinning Mills、Jessore Feed、Square Accessories、Square Electronicsが含まれる。

ニトルニロイ(Nitol Niloy)グループは、キショルゴンジ県ポクンディア郡の91.63エーカーの土地で、キショルゴンジ経済特区を開発中だ。この特区はバイラブ(Bhairab)-キショルゴンジハイウェィの近くにある。

設立後は、まず2千人を雇用、5年後には2万人を雇用する予定だ。

「バングラデシュで高まる自動車需要に対応するため、インドのタタ・グループが自動車製造工場の設立に関心を持っています」
ニトルニロイグループのアブドゥル・マトラブ。アーメド会長は、用地設計と区画整理は完了し、間もなく投資が始まるとの見方を示した。

タタの国内パートナーであるニトルニロイグループは、80億タカ(110億円)かけて建設した工場で、年間2千台のピックアップバンを生産する目標を掲げている。

「軽工業やその他の分野でも、複数の投資が行われます。この経済特区には全体で200億タカ(276億円)の投資が見込まれています」
アーメド氏は、特区では病院やシューズ工場も建設される予定だとした。

「個人投資家は非常に賢く、投資の価値を理解しています」
パバン・チョードリー氏は、民間経済特区も公共経済特区と同じように国の経済発展や貧困の削減、雇用の創出に貢献するものだから差別してはならないと述べた。

公共経済特区と同様、民間経済特区の投資家は、原材料や建設資材、資本機械、完成品の輸入が免税となり、10年間のタックス・ホリデーを享受することができる。

一方、政府が所有する5カ所の経済特区では、177プロジェクトに対して221億7000万ドル(3兆1491億円)にのぼる投資提案が寄せられている。

Bangladesh News/The Daily Star Nov 21 2022
https://www.thedailystar.net/business/economy/news/investors-flocking-private-economic-zones-3175006
翻訳編集:吉本

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