米、EUでアパレル輸出鈍化

米、EUでアパレル輸出鈍化

【The Daily Star】2つの最大のアパレル輸出先の消費者が、ロシアとウクライナの激しい戦争による経済の不確実性を懸念し続けているため、2022年7月から12月にかけて、米国と欧州連合(EU)へのアパレル輸出の伸び率は鈍化した。

輸出促進局(EPB)のデータによると、現会計年度(FY23)上半期(7-12月)、バングラデシュの単一最大市場である米国からのアパレル輸出収益は42億7千万ドル(5516億円)で、前年同期比1.11%の増加だった。

一方、FY23上半期のEU市場(英国除く)からの輸出収益は115億ドル(1兆4856億円)で、前年同期比16.61%の増加だった。

進行中の戦争の影響に起因するインフレ上昇にもかかわらず、輸出収益はわずかに増加したが、成長率は一年前から鈍化している。

致命的なコロナウイルスの脅威にもかかわらず経済を再開するという政府の大胆な決定を背景に、バングラデシュのグローバルサプライチェーンは2021年半ばに回復し始め、輸出の大幅な成長を目の当たりにした。

だが、昨年2月に始まった戦争が世界のサプライチェーンに大きな打撃を与えたことで、2022年に同じペースを維持することはできなかった。

「今後3カ月間のアパレル輸出は、賞賛に値する成長を続けない可能性があります」
バングラデシュ衣料品製造輸出業者協会(BGMEA)のファルク・ハッサン会長は述べた。

EUと米国は、バングラデシュのアパレル輸出収益の80%以上を占める。

ヨーロッパではほとんどの人が物価の上昇やウクライナへの侵攻、異常気象、失業、政治的不確実性を重要な懸念事項としてとらえている。

マッキンゼー・アンド・カンパニーのレポートによると、消費者の悲観論は徐々に高まり、43%が景気回復に疑問を表明、6月の36%から増加した。

一方、米国では消費者物価指数が 6カ月連続で下落し、年間6.5%の上昇だった。それでも、インフレと経済の不確実性は引き続き大きく迫り、消費者信頼感は11月に低下したと、昨年CNNは報じた。

FY23上半期、ヨーロッパの出荷先の1つであるドイツへの輸出は前年比3.54%増、34億5000万ドル(4457億円)になった。 ドイツはEU内で最大のアパレル輸出先だ。

スペインとフランスへの輸出はそれぞれ17.62%と33.08%増加し、17億ドル(2196億円)と14.1億ドル(1821億円)になった。 ポーランドへの輸出は18.43%減少した。

英国はバングラデシュから23億9000万ドル(3087億円)、カナダは7億7416万ドル(1000億円)相当の衣料品を輸入した。両国の増加率はそれぞれ11.89%と28.42%だった。

米国やEU、カナダなど伝統的な市場へのアパレル輸出の伸びは鈍化したが、非伝統的な新興国への輸出は順調に伸びている。

FY23上半期、非伝統的市場への輸出は32.19%と急増、40億4000万ドル(5219億円)となった。前年同期は30億5000万ドル(3940億円)だった。

EPBのデータによると、日本への輸出は42.54%増加し、7億5472万ドル(975億円)に達した。インドへの輸出は50%増加し、5億4889万ドル(709億円)になった。

「世界的な減速の中で、アジア市場は救世主となるかもしれません。韓国、日本、インドへの衣料品の輸出は伸び続けており、その勢いは近い将来も続くでしょう」
ハッサン氏は述べた。

一方、衣料品の単位あたり価格は昨年のように上昇しない可能性があるとした。

「原材料価格は安定しており、運賃も下落しているため、バイヤーは衣料品の単位あたりの価格を引き上げることができないかもしれません」
バイヤーは2022年、綿や化学薬品などの原材料や運賃の値上げに伴い、アパレル製品の単価を引き上げていた。

ハッサン氏は、すべてが戦争の方向性に依存するため、FY23がアパレル産業にとって最終的にどのようになるかを予測することは不可能だとした。

アパレル産業は、バングラデシュの輸出の約85%を占める。

Bangladesh News/The Daily Star Jan 13 2023
https://www.thedailystar.net/business/economy/news/rmg-export-growth-slows-us-eu-global-uncertainty-3219796
翻訳編集:吉本

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