【The Daily Star】政府は31日、電力小売価格を再び5％値上げした。19日間で2度目の値上げとなり、すでにインフレに苦しんでいる市民に負担を強いる。
政府の通達によると、2月1日から電気の加重平均価格は、1キロワット時あたり7.82タカ(9.5円)へ値上がりする。
これまで月1千タカ(1222円)を支払っていた消費者は、同じ量の電気を消費すると1100タカ(1344円)を支払うことになる。
「国際市場の燃料価格が上がっていれば値上げをします。そうでなければ値上げはしません。補助金をなくしたい。それが最大の目標です」
ナズルル・ハミッド電力・エネルギー・鉱物資源担当国務相は、政府はこれから毎月電気料金を調整すると述べた。
今回の値上げで市民は混乱に陥っている。
会社員のマフブール・ラーマンさんは、今回の値上げを1月12日の値上げのことだと勘違いしたという。
「政府がこんなに早く電気料金を再値上げするとは信じられません。私たちの収入には限りがあります。値上げが続けばどうやって生きていけばいいのでしょう」
バングラデシュ統計局(BBS)のデータによると、今年度上半期のインフレ率は平均8.76％で、前年の5.7％から上昇した。
政策調査研究所のオーサン・マンズール常務理事も、この値上げを前回の値上げと勘違いした1人だ。
「政府がまた電気料金を上げたと言うのですか？ 数日前に値上げしたばかりじゃないですか。あなたが言っているのは、その値上げのことではないのですか？」
記者がコメントを求めたところ、逆に問い返された。
経済学者やエネルギーの専門家によると、政府は補助金をゼロにするための明確な戦略を欠いているという。彼らは電力生産側の汚職や非論理的な支出を抑制する代わりに、消費者に負担を押し付けることについても批判的だ。
「何の戦略もないどころか、勝手に電気料金を吊り上げています。なぜ、消費者に負担を強いるのですか」
Brac銀行の会長でもあるマンスール氏は、システムロスを減らすとか、電力会社と負担を分担するとか、政府の負担を減らす方法はいくらでもあるはずだと述べた。
「もし政府が1ユニットあたり10タカ(12円)の値上げをするなら、少なくとも3タカ(3.7円)は発電事業者に負担させるべきです。彼らは何年も容量料金を受け取っているのですから、今こそ負担を分かち合う時です」
マンズール氏は補助金を削減する方法については、すべての利害関係者から情報を得ることで戦略を立てるよう政府に助言した。
政策対話センターのコンドカル・ゴラム・モアッゼム調査部長もマンスール氏の意見に賛成し、政府はすべての負担を消費者に転嫁するのではなく、より効率的になるように支出構造を変更する必要があると述べた。
「民間発電所への莫大な設備投資、レンタル発電所の段階的廃止の遅れ、非効率的な発電所などには疑問があります。しかし、政府はそれらの問題を解決せず、継続的に値上げを行いました」
モアッゼム氏は、同時にバングラデシュエネルギー規制委員会(BERC)を利用してシステムの抜け穴を特定するよう政府に促した。
政府は、あらゆる種類のエネルギー価格を決定できるようにする法律を国会で可決した翌日、BERCの公聴会を回避して値上げを決めた。
バングラデシュ消費者協会のMシャムスル・アラム上席副会長は、BERCを回避した価格設定プロセスに疑問を呈し、「政府がどのようなプロセスで価格を決定しているのかわかりません」と述べた。
石油・ガス・鉱物資源・電力・港湾を守る全国委員会元幹事のアヌ・ムハンマド氏は、ガス・電気料金の値上げは国際通貨基金の処方箋に従ったものだとした。
「すべての負担が消費者にのしかかるので、政府には何の痛痒もありません。賃金以外のすべての製品価格が引き上げられるのだから」
一部の政党は、政府の動きを懸念する。
Ganosamhati Andolonは声明で、この決定により、政府は飢餓に瀕している市民の出費を増やすことになると述べた。
バングラデシュ共産党は声明で、間違った政策や汚職、不始末、システム損失が、高い生産コストの主な理由であり、政府が真実を隠したまま電気やガスの価格を引き上げていることは容認できないとした。
左翼民主同盟は、レンタル発電所と簡易レンタル発電所の段階的廃止と、補助金の名目で支払われている高額な設備料金の撤回を要求した。
Bangladesh News/The Daily Star Feb 2 2023
https://www.thedailystar.net/environment/natural-resources/energy/news/retail-power-price-hiked-again-just-3-weeks-3235606
翻訳編集：吉本