【The Daily Star】国内IT企業が世界的な経済の混乱に対して回復力を示したため、今会計年度(FY23)上半期、バングラデシュからのIT輸出は関係者の期待を上回る36％もの急増を示した。

輸出促進局 (EPB) のデータによると、FY23上半期(2022年7ｰ12月)のIT企業の収益は2億8277万ドル(380.7億円)で、前年同期の2億809万ドル(280.1億円)から増加した。

収益の増加は、ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)やIT対応サービスをカバーするコンピュータデータ処理およびホスティングサービスの出荷によってもたらされた。

コンピュータデータ処理およびホスティングサービスの出荷額は、前年同期の1億5482万ドル(208.4億円)から2億3355万ドル(314.4億円)に増加した。

業界関係者によると、国内企業は、バックオフィス業務や画像処理、グラフィックデザイン、アニメーション、データ入力、会計および法務プロセスやデータ分析などのアウトソーシングの注文を数多く受けている。

新型コロナ状況が改善して世界中のビジネスが再開した昨年半ば以降、IT輸出の伸びは驚異的だった。

昨会計年度(FY22)、バングラデシュのIT輸出は初めて5億ドルの壁を乗り越え、5億9206万ドル(797億円)を記録した。

業界関係者は、ロシアｰウクライナの戦争によって引き起こされた世界的な経済危機のために、FY23も輸出の伸びが維持されるかどうかの懸念を表明していたが、より高い収益がもたらされた。

EPBによると、FY23上半期、ITコンサルティングサービスは1976万ドル(26.6億円)の収益を上げた。前年同期は1862万ドル(25.1億円)だった。ソフトウェア出荷は8％減少して2739万ドル（36.9億円）だった。

だが、一部のソフトウェア企業はこの期間もビジネスが拡大したと述べた。たとえば、Brain Station 23 は前年同期比44％の成長を記録した。

同社は主にカスタムメイドのソフトウェアを欧州のクライアントに輸出している。ここ1年で200人以上を雇い、従業員総数は670人となった。

一方、FY23上半期、コンピュータと周辺機器の設置、保守、修理の輸出収入は約58％減少して207万ドル(2.8億円)となった。

だが、DataSoft Systems のMマンジュール・マウムド社長は、IT部門からの実際の輸出収入は公式数値よりもはるかに高かったという。

「収益の多くは少額であり、公式の計算には含まれていません」

同社は31カ国にソフトウェア製品を輸出しており、4カ国にオフィスを構える。従業員数は450人だ。

バングラデシュソフトウェア情報サービス協会 (BASIS) は、年間のIT輸出額は15億ドル(2019.3億円)に上ると見積もっている。

業界関係者は、インフォーマル市場ではタカに対してドルレートが高いため、多くの企業やフリーランサーは非公式ルートで輸出代金を得ていると見る。

こんな驚異的な成長にもかかわらず、バングラデシュのIT輸出は近隣諸国よりはるかに低い水準にとどまっている。

隣国インドのソフトウェア・サービス企業協会によると、インドのテクノロジー産業は2022年度、2270億ドル(30兆5585億円)の輸出収益を生み出した。

2022年度のパキスタンの通信、コンピューター、情報サービスを含む情報通信技術の輸出額は、26億2000万ドル(3527億円)だった。

BdjobsとAjkerDealのCEOであるAKMファヒム・マシュルール氏は、上半期の収益増加は世界的な経済危機の中で良い兆候だと述べた。

「しかし、全体的なIT輸出はとても低いままです」

マシュルール氏は、政府は人々、特にフリーランサーのICTスキル発展のために多額の支出を行っているとしたが、IT輸出を押し上げるには至らなかったと述べた。

「ほとんどのお金が、大きな収入を生み出すことができないスキルの低いフリーランサーの育成に費やされているためです」

そのうえで、IT企業が新卒者を採用することを奨励するよう政府に促した。

「アパレル業界の成長ストーリーを追うべきです。かの部門ではトップ100社が輸出の80％を占めています。インドのInfosysやWiproのような、それぞれ数万人を雇用し、数十億ドルを稼ぐ大企業が必要です」
マシュルール氏は補足した。

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上半期のIT輸出急増