【The Daily Star】複数の主要市場からの需要が増加しているおかげで、バングラデシュのアジア市場への輸出は着実に成長しているが、今後、貿易協定に署名し、製品を多様化する必要がある。
現会計年度(FY23)の7ｰ3月期、輸出業者は前年同期の45.4億ドル(6118億円)から16％増、52.6億ドル(7088億円)の商品をアジア各国に輸出した。
輸出促進局 (EPB) のデータによると、アジア市場の伸びは輸出全体の8％の2倍となり、全輸出収入に対するアジアのシェアは12％から13％に増加した。
アジアへの輸出は、主にコロナパンデミックの影響で、2019-20会計年度から減少を始めた。その傾向は2021-22会計年度まで続いていた。
輸出業者はこの好調さの原因として、免税入国特典、欧米以外の市場への輸出促進を目的とした政府の4％インセンティブ、輸出業者と輸入業者間の信頼とビジネス関係の向上を挙げた。
「アジア市場の見通しは良好です。 しかし、課題もあります。 バイヤーは非常に品質を重視しますし、多様な製品に対する需要があります」
バングラデシュで急成長する衣料品輸出業者、パシフィック・ジーンズ・グループのサイード・モハムマド タンヴィル社長は述べた。
インドはアジアにおけるバングラデシュ最大の輸出市場で、日本、韓国、中国、マレーシアが続く。この5市場で、アジアへの輸出収入の5分の4を占める。
輸出先のうち、韓国やインド、マレーシア、日本は、金額と割合が急速に伸びた。過去5年間で、韓国への輸出は78％、インドへの輸出は70％急増した。
マレーシアへの輸出は2018-19年以降45％、日本は35％伸びた。唯一の例外は中国で、26％急落した。
バングラデシュ・ニットウェア製造輸出業協会(BKMEA)元会長のMdファズルル・ホック氏は、アジア市場でバングラデシュの知名度は高まっているという。
「かつて、インドのバイヤーは、私たちの製品の購入に熱心ではありませんでした。また、支払いの問題により、輸出業者の間でも熱意が欠けていました」
「これらの国のバイヤーとの理解が深まり、ビジネスが拡大しています。私たちの間の相互信頼も高まっています」
環境に優しいニットウェアメーカーの1つ、プラムミー・ファッション(Plummy Fashions)の社長でもあるホック氏は述べた。
FY23の7-3月期、バングラデシュはインドから前年同期比11％増の16.9億ドル(2277億円)の輸出収入を得た。そのうち、アパレル輸出が8.3億ドル(1118億円)で、前年同期比で58％増加したと、バングラデシュ衣料品製造輸出業協会(BGMEA)のデータは示す。
バングラデシュにとって2番目に大きな輸出先である日本は、FY23の7-3月期、前年同期比40％増の14.5億ドル(1954億円)の商品を輸入した。
政策対話センターのコンドカル・ゴラム・モアッゼム調査部長は、輸出の多様化を目指すバングラデシュにとって、アジア市場に目を向けることは良いことだという。
また、化学、エンジン部品、農産品は、複数のアジア市場で伸びているとしたうえで、インドと中国を除くアジアすべての市場への免税市場アクセスがないことは課題だと述べた。
「日本と韓国は、一部の製品について関税ゼロを提供しています。しかし、現地での付加価値の基準は高く、対応することはかなり困難です」
さらに、バングラデシュの競合国の多くは、ASEANや地域包括的経済連携などの地域貿易協定の一部を構成し、地域内輸出で関税の恩恵を受けている。
「私たちは貿易協定の一部ではないため、これを利用することはできません。輸出の可能性を引き出すには、地域貿易協定に参加するか、主要国との二国間貿易協定に署名する必要があります」
モアッザム氏は述べた。
2026年に後発開発途上国(LDC)グループから卒業後、バングラデシュは先進市場への優先的なアクセスを失うことが予想されるため、関税問題は今後さらに注目される。例えば、日本市場への輸出は、約8～11％の関税に直面する可能性がある。
「免税のメリットがなければ、遅れをとることになるでしょう。競争力を維持するために、貿易協定に署名する必要があります」
パシフィック・ジーンズのタンヴィル氏は述べた。
Bangladesh News/The Daily Star Apr 19 2023
https://www.thedailystar.net/business/economy/news/export-asia-growing-fast-3300411
翻訳編集：吉本