成長鈍化も輸出増のIT産業

成長鈍化も輸出増のIT産業

【The Daily Star】公式統計によると、2022-23会計年度(FY23)7-4月期、バングラデシュのIT輸出は、世界の顧客からのIT対応サービスへの需要の高まりを受けて増加した。

輸出促進局(EPB)によると、国内IT企業の輸出収益は前年同期比24.60%増の4億6000万ドル(644.6億円)となった。

グラフィックデザイン、画像編集、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)などのITESが収益の増加を牽引、 ITES輸出額は37.57%増の3億8231万ドル(535.7億円)となった。

「ロシア・ウクライナ戦争の影響で世界的にインフレ率が上昇し、米国と欧州のテクノロジー企業は営業経費を削減するために正規従業員を解雇し、アウトソーシングに切り替えることを余儀なくされました。これにより、国内テクノロジー企業が地域の市場を獲得する機会が生まれ、ICT輸出が急増しました」
Dream71バングラデシュのラシャド・カビール社長は述べ、このまま国内企業が成長の勢いを維持できれば、今後数年間でICT出荷額が大幅に増加するとした。

「高品質で長期的なサービスを保証するには、熟練した人材の育成が最優先であるべきです」
国内ICT企業の最上位組織バングラデシュソフトウェア情報サービス協会(BASIS)の理事でもあるカビール氏は補足した。

一方、ソフトウェア、コンピューターコンサルティング、製品インストールやメンテナンスの輸出収益はこの間減少した。

コンピュータコンサルティングサービスの輸出額は5.45%減の2967万ドル(41.6億円)、コンピュータおよび周辺機器の設置・保守・修理サービスは29.54%減の644万ドル(9.02億円)となった。また、ソフトウェアの海外売上高は約18%減の4191万ドル(58.7億円)だった。

約700人の従業員を抱えるBrainStation23では、ソフトウェア輸出の落ち込みを目の当たりにした。

「世界経済の減速により、注文の流入が鈍化しています」
同社のライスル・カビール共同創設者兼最高経営責任者(CEO)は述べた。

だが、バングラデシュ最大のIT輸出企業であるBJITグループは、FY23当初10か月間で前年比30%増を輸出した。

約800人を雇用する同社のマスド・メヘディ最高執行責任者は、「輸出目標はすでにすべて達成しました」と述べた。

BASISの元会長サイエド・アルマス・カビール氏は、ソフトウェア輸出のプラス成長を維持することが重要だと考えている。

「バングラデシュを本当のITハブにしたいのであれば、ソフトウェア輸出を増やし、新しいテクノロジーについて学ぶことが不可欠です」
アルマス氏は、ITプロフェッショナルは常にソフトウェアに関する最新情報を入手しておく必要があると述べた。

また、国内では主にフリーランサーがITESを提供しており、バングラデシュはすでにこの分野で強みを示しているとした。

IT輸出全体はFY23当初10カ月(7~4月)に24.60%増加したが、成長ペースは1年前と比べて減速した。 FY22当初10カ月は前年同期比52%増の3億6900万ドル(517.1億円)だった。

EPBのデータによると、FY22全体の海外売上高は95%増加し、5億9206万ドル(829.6億円)だった。

だが、BASISのラッセル・T・アーメド会長は、実質利益ははるかに高く、公式統計は現実を反映していないと述べた。

「公式数字にはフリーランサーを含む多くの企業の収益が含まれていないのです」
アーメド氏は現在の推定年間IT輸出額は14億ドル(1962億円)だとした。

業界関係者は、ドルの為替レートが高いことから、正規のプラットフォームよりも非公式ルートを通じて輸出収益を受け取ることを選ぶ企業やフリーランサーが多いと述べた。

Bangladesh News/The Daily Star Jul 12 2023
https://www.thedailystar.net/business/economy/news/it-exports-rising-though-growth-decelerates-3366826
翻訳編集:吉本

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